林家正雀 二日連続口演2022【終了しました】
林家正雀 二日連続口演
歯切れのいい人情味あふれる語り口で新潟の観客の心をとらえる正雀師匠の二年ぶりの砂丘館。今年も二日間連続の口演です!
開催日時:2022年7月23日(土)18時30分~・24日(日)14時~
料金:一般各3500円 小・中学生各2000円、【2回通し】一般6000円 小・中学生3500円 定員各回30人
お申込:【砂丘館】025-222-2676 E-mail: yoyaku@bz04.plala.or.jp
【演目】
23日(土)
『城木屋』
評判娘、東海道五十三次、伊勢の壺屋の煙草入れの三題を使った、三題噺です。中で壺屋の煙草入れは、お伊勢参りの帰りの土産品として流行した品です。三題噺は、作者が分かっている物が多いのですが、この噺は作者不明です。番頭丈八のお白州での、云い立てが聞き処です。
『井戸の茶碗』
講談の「細川の茶碗屋敷」を噺に移した物で、明治頃から高座に掛けられていたようです。それを昭和の名人、志ん生師匠が面白くし、さらに志ん朝師匠が、磨いてより人気の有る噺になりました。それが為に、古今亭の噺とされていまして私は、当代の馬生師匠から教えて頂きました。
『団子坂綺談』
もともと上方の噺で、「腕食(かいなく)い」と呼ばれている噺で、東に移って来て、「すねかじり」の題で演られる様になりました。ですが、サゲが割れて仕舞いますので、落語研究家の関山和夫先生が、「団子坂綺談」の演目の名にして下さいました。落ちの有る、怪談噺です。
24日(日)
『蛸坊主』
上方の噺を、師匠彦六が東に移しました。舞台を不忍の池にして、江戸前の噺になっています。昔に見た、東映の時代劇に、こんな場面が有ったのを思い出します。多分、この噺を取ったのだろうと思われます。三味線が入って芝居がかりになって、聞かせ処ですが、演題の「蛸坊主」は、下げを聞いて分かる事になっています。
『毛せん芝居』
大名噺の一つです。大名がお能を見る事は実際に有ったと思われますが、それを芝居にしたのが、面白いと思います。その芝居は、「蔦紅葉(つたもみじ)宇都(うつの)谷(や)峠(とうげ)」の内の、文弥殺しの処で、この場は人気が有り、他の噺(さんま芝居)にも使われています。三味が入り、七語調の台詞は、演っていて楽しいですが、下げが粋でして、恐らく下げから先に出来た噺だろうと思われます。
『立ち切り』
上方では、「立ち切れ線香」と云っております。上方で出来た噺ですが、名人文楽師匠もお演りになったと聞きますので、東でも明治には演じられていたと思います。噺では珍しい純愛物です。そして肝心なのが三味線です。上方では、地唄の「雪」ですが、こちらは、長唄の「黒髪」が入ります。色街を舞台にして、純な若い男女を描いた人情噺の名作です。
林家正雀(はやしや しょうじゃく)
落語家。1951年12月25日山梨県生まれ。74年に八代目林家正蔵(のち彦六)に入門し、前座名繁蔵。78年正雀で二ツ目。83年同名のまま真打。